テナントの防音工事、費用の目安や工事の流れを解説!更新日:2020.06.29
こんにちは!札幌すすきのを中心にテナントビルを展開するLCグループです!
音楽スタジオやライブバー、カラオケを置く飲食店などは、テナントの防音工事が必須!
適切な防音対策を行っていないと、周りの店舗や近隣住人とトラブルになってしまうこともあります。
今回はテナントの防音工事について解説。
防音工事の費用目安や防音室の仕組み、防音工事の流れなどをお話します。
テナントの防音工事の大まかな費用目安は200万円~
大きな音楽を流す、楽器を演奏する、歌を歌う、ダンスを踊るといったテナントは、音が周りに響いてしまわないように防音工事をすることをおすすめします。
防音工事は、壁や床に防音材や防音建具を使用したり、音や振動が伝わりにくい構造にしたりして、部屋や建物の外へ音が響かないようにするもの。
音楽や歌に関わるテナントで、防音工事費用の一例をご紹介します。
- 楽器室、カラオケルーム 200万円〜
- ダンススタジオ 300~500万円
- ライブハウス 1,000万円~
防音工事はテナントの施工面積やもともとの構造、目指す遮音性によっても工事内容や採用する工法に大きな違いが生まれ、費用もそれぞれ異なります。
防音工事で音漏れを防ぐ仕組みとは?
音の伝わり方は「空気伝搬」と「個体伝搬」の2種類があります。
空気伝搬(空気音)
人の話し声やテレビの音など。
空気を振動させて伝わる音です。
壁などの遮蔽物があれば遮断することができます。
個体伝搬(個体音)
ピアノ音や上階の足音、排水音など。
壁や床、天井などを介して、振動や衝撃として伝わる音です。
防音対策の仕組みとして、この2つの音を4つの方法で遮断します。
壁や床に遮音シートなどを張り付けて音を通り抜けないようにする「遮音」、防音材を壁や床に設置して音を吸収させる「吸音」、防振材やゴムマットを壁や床に設置して個体音を遮断する「防振」、制振シートやゴムシートを用いて振動を減らして音を抑える「制振」が主な対策です。
たとえば、床に遮音ボードや吸音板を張り付けて音が外へ響かないように対応する、防振浮床として建物へ振動が伝わるのを遮断する、といった業者による工事が行われます。
壁や床の中に空間をつくり、個体伝搬を遮断する浮防振床、浮遮音防音壁といった浮構造もよく採用される防音対策のひとつです。
そのほか、必要に応じてドアや窓などに防音性の高い材質や工法を採用したり、排水や吸排気設備についても防音性の高い設備を設置したりするなどしていきます。
テナントの防音工事、施工までの流れは?
防音工事を依頼した場合、下記のような流れで進みます。
【1】希望や条件を確認
まずはどんな音を使用するのか、どの程度の防音が必要なのかといった希望を確認します。
必要な防音レベルによって工事内容や金額が異なりますので、しっかりと相談や打ち合わせを行いましょう。
【2】現場や周辺環境を確認、把握
テナントの構造確認や、周辺環境や騒音レベルを調査し把握します。
周辺環境が静かな場合と、騒音がある場合では必要な防音レベルも変わってきます。
【3】工事内容や設計、仕様素材を選定し見積り
音の用途や周辺に合わせた防音対策を設計し、見積もりをします。
テナントの広さや工事内容、使用素材によって見積もりが大きく異なるので、工事内容と照らし合わせながら確認しましょう。
【4】施工開始
工事内容と見積金額に納得できれば、契約をして施工を開始します。
工事にかかる期間は工事内容によって異なります。
テナントの防音工事の必要性とは? 起こりうる騒音トラブル
防音工事が必要なのは楽器室やカラオケルームなど、音楽メインのテナントだけとは限りません。
飲食店などの一般的なテナントでもトラブルは起こりえます。
下記のようなトラブルに注意しましょう。
- お客様の声が店外に響いて、周辺住民から苦情が来る
- イスを引く音や足音が階下の店舗に響いて苦情が来る
- エアコンのダクトや室外機の音がうるさい など
今まで何も言われていなかったとしても、周りのテナントが入れ替わったり周辺住宅が増えたりと周辺環境が変わることで、苦情やトラブルが新たに発生する可能性もあります。
エアコンや給排水設備などは、劣化による不具合などから騒音が発生するケースもあるので注意しましょう。
外部に響く音をゼロにするのは難しいですが、適切な防音対策はトラブル防止にも有効ですので、必要に応じてぜひ検討してみてくださいね。
まとめ
- 音楽や歌など大きな音が発生する業種のテナントでは、ぜひ防音工事を行いましょう。防音工事費用は音の種類や求める防音レベル、工事内容によっても大きく差がありますが、200万円~を目安にかかるケースが多いです。
- 音が伝わる仕組みは、空気を振動させて伝わる空気伝搬と、壁や床などの個体を振動させて伝わる個体伝搬の2種類があります。防音工事では音を遮断したり吸収したりする遮音材・吸音材を設置したり、振動を伝えにくくする防振材や抑振シートを設置することで防音対策をします。また壁や床の内部に空間を作って音が伝わらないようにする、浮構造などもよく採用されます。
- テナントの防音工事では、まずどんな音を使用するのか、どの程度の防音効果が必要なのかという打ち合わせを行って希望の条件や周辺環境に適した工事内容を検討していきます。工事の内容や採用する素材、工法によって費用が大きく変わりますので注意しましょう。
- テナントの防音工事が必要なのはライブハウスやカラオケルームといった音に特化したテナントだけとは限りません。お客様の声や足音、水道や換気設備の騒音が原因でトラブルになってしまう可能性もありますので、必要に応じた防音対策を検討しましょう。