居抜き物件で営業許可を取得するには事前のチェックが大切!更新日:2022.05.16
こんにちは!札幌すすきの・旭川を中心にテナントビルを展開するLCグループです!
飲食店を営業するには、保健所から法律に基づいた飲食店営業許可を受けなければなりません。
「前にも飲食店を営業していた居抜き物件での開業なら、営業許可もすぐに下りる?」とは限らないので注意が必要!
今回のコラムでは、居抜き物件で飲食店営業許可を取得する際の注意点について解説します。
居抜き物件で営業許可を申請する場合に注意すべき点やトラブル事例、申請前にチェックしておくべきポイント、申請の流れなどをご紹介しますね。
居抜き物件とは?営業許可における注意点も確認
居抜き物件とは、前のオーナーが使っていた内装や設備が残されていて、それを譲り受けて使えるテナント物件のこと。
テナントを借りる際は通常、内装や設備が何もない「スケルトン状態」になっているので、必要に応じて内装工事や設備工事を手配してお店を作り上げます。
居抜き物件は内装工事や設備工事が不要なため、契約できれば開業準備にかける費用や時間を抑えられるのがメリットです。
ただし、居抜き物件であっても新しく飲食店を開業するなら、新しいオーナーが改めて飲食店営業許可を受ける必要があります。
飲食店の営業許可を受けるには「食品衛生責任者を配置すること」「施設や設備が保健所の要件を満たしていること」の2つの要件クリアがポイントとなります。
前も飲食店として営業していた居抜き物件なら「施設や設備の要件は満たしているはず。営業許可もすぐに下りるでしょう!」と、思ってしまいますよね?
実は必ずしも、譲り受けた状態で許可が下りるとは限らないのでご注意を。
居抜き物件をそのまま申請して、許可が下りなかった次のような例もあります。
前のオーナーが営業許可を受けたあとに内装を変えていた
前のお店で営業許可が出たあとに内装や設備に手を加え、施設や設備が要件を満たさなくなってしまっているケース。
例えば、厨房と客室を隔てるドアを外している、手洗い場を外している、照明を極端に暗くしているといったことがあると、検査ではNGが出てしまう可能性があります。
別の業態にしたために営業許可が下りない
ひとくくりに「飲食店」といっても、お酒を出さないカフェと深夜までお酒を提供するバーでは、営業許可を受けるために必要とされる要件が異なります。
深夜にお酒を提供するバーや居酒屋などは、営業できる地域やお店の広さ、設備などに別の規定があるので注意しましょう。
カフェとしては営業許可が下りていた物件でも、バーとしては営業許可が下りないケースがあります。
実は前のお店は無許可で営業していた
そもそも飲食店の営業ができないエリアや、条件が整っていない施設・設備で「前のオーナーは無許可で営業していただけだった…!」というケースも。
居抜きで営業許可を申請しても、このような場合は、もちろん許可されません。
内装や設備の場合は工事によって要件を満たすこともできますが、エリアが問題の場合は物件を諦めて別のエリアに移る以外に余地がなくなります。
スケルトン物件を契約して、開業に向けた内装・設備工事をする場合は、保健所が求める基準に合わせてプランニングし、工事業者とも確認しながら施工を行いましょう。
居抜きで契約して内装工事を行わない場合は、業者などのプロの目は入りません。
施設や設備などが保健所の求める基準を満たしているかは、自分でしっかりチェックする必要があります。
居抜き物件を利用するメリットや注意点については「テナントの居抜き物件はメリットが多い!?注意点もある?」でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
居抜き物件で営業許可を申請する場合のチェックポイント
飲食店の営業許可を申請をする場合、申請書類などの提出後に待っているのが保健所による施設検査です。
保健所の基準に合わせて設計・施工していない居抜き物件の場合は、事前に自分でチェックしておくことが重要。
営業許可を受けるための要件はたくさんありますが、特に飲食店営業で保健所が見ているのは、厨房や客席の衛生面・安全面などです。
以下のような点をしっかり確認しておきましょう。
- 厨房や客席などスペースが用途ごとにしっかり分けられているか
- 床や壁は耐水素材で掃除がしやすいものになっているか
- 害虫やネズミ対策として窓に網戸、排水口に金網などを設置しているか
- 厨房のサイズに合った換気扇やダクトで適切な換気対策がとられているか
- 客席、厨房でそれぞれ必要な明るさは確保されているか
- シンクは2槽で食器用と食材用に分かれているか、または食洗器が備えられているか
- 食器は扉つきの棚に収納されているか
- 位置や数に配慮した衛生的なトイレがあるか、専用の手洗器はあるか
- 厨房のゴミ箱にフタがあるか
- 従業員が手洗いや消毒できる設備があるか
- 従業員の更衣室や着替えのスペースは確保されているか、ロッカーや衣類を入れるカゴはあるか
居抜き物件で営業許可を取得する流れ
居抜き物件で営業許可を申請・取得する際の流れを確認しましょう。
①事前相談(準備)
まずは物件の図面などをもって保健所へ相談。
どんな基準があるのか、施設や設備が基準を満たしているか、飲食店の営業が可能なエリアかなどを確認します。
施設検査に来てもらってから不足している場所を指摘されると、改善と再検査に時間がかかってしまうため、事前に確認・対処しましょう。
また、飲食店営業には店舗に1名以上の食品衛生責任者が必要です。
食品衛生責任者の有資格者がいない場合は、資格取得もしておきましょう。
自治体の開催する講習を受けることで資格を取得できますが、月に1回しか講習を開催していない自治体などもあるため、余裕をもって早めに取得しておくと良いです。
②営業許可申請
下記の必要書類をそろえ、保健所へ営業許可を申請します。
- 営業許可申請書
- 施設の構造及び設備を示す図面
- 食品衛生責任者の資格を証明書するもの
- 許可申請手数料
貯水槽使用水、井戸水を使用する場合は水質検査成績書、法人の場合は登記事項証明書も必要です。
スムーズに許可が下りた場合で、申請から約2〜3週間で営業開始できるケースが多いようです。
必要な書類や手数料、検査にかかる期間なども管轄する自治体によって異なるため、早めに確認をして準備しておくことも円滑に進めるポイント。
このほか、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を使えば、オンラインでも営業許可の申請・届け出手続きが行えますよ。
営業開始予定日から逆算して、余裕をもって申請しましょう。
③施設検査の日程を調整
保健所の担当者と、施設検査の日程を打ち合わせます。
④保健所による施設の確認検査
保健所の担当者が施設に直接足を運び、施設や設備が基準を満たしているかチェックします。
施設や設備が基準に適合していれば「営業許可書交付予定日のお知らせ」を受け取ります。
不適合の指摘を受けた場合は改善し、後日改めて検査を受けます。
⑤営業許可書の交付、営業開始
営業許可書交付日になったら、保健所へ許可証を受け取りに行きます。
営業を開始する際には、営業許可書と食品衛生責任者の名札を店内の目立つところへ掲示しましょう。
まとめ
●居抜き物件の営業許可における注意点
以前も飲食店として営業していた居抜き物件なら「今回の営業許可も問題なくすぐ下りるだろう」と思ってしまいますが、必ずしもそうとは限りません。
例えば、前のオーナーが営業許可を受けたあとに内装を変えていたり、別の業態にしたために営業許可が下りないこともあります。
業者などのプロの目が入らない居抜き物件は、施設や設備、エリアなどが要件を満たしているかどうか、自分でしっかりチェックする必要があります。
●居抜き物件で営業許可を申請する場合のチェックポイント
飲食店の営業許可を申請をする場合、申請書類などの提出後に待っているのが保健所による施設検査です。
特に飲食店営業許可の施設検査では、厨房や客席の衛生面・安全面などをチェックされます。
細かいポイントについては事前に保健所へ相談し、自分でも確認しておきましょう。
●居抜き物件で営業許可を取得する流れ
事前相談(準備)をして営業許可を申請したら、保健所による施設検査を受けます。
施設や設備が基準を満たしていれば「営業許可書交付予定日のお知らせ」が届き、交付日に営業許可書を受け取ることができます。
営業許可の申請から営業開始までは、スムーズに進んで2〜3週間程度。
厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を使えば、オンラインでも営業許可の申請・届け出手続きができます。
営業を開始したい日から逆算して余裕をもって手続きを進めましょう。
飲食店の開業をご検討されている方で疑問点やお困りのことがあれば、札幌すすきのを中心にテナントビルを展開するLCグループの磯へお気軽にお問い合わせください!