テナントの定期借家契約とは?メリットデメリット、注意点を知ろう更新日:2021.07.21
こんにちは!札幌すすきのを中心にテナントビルを展開するLCグループです!
テナントを借りる際には「定期借家契約」か「普通借家契約」かという、契約の形もチェックする必要があります。
定期借家契約は、契約期間が満了したら必ず退去しなくてはいけないという契約で、一般的な賃貸契約とは違う点がいろいろとあるため注意が必要です。
今回はこの定期借家契約について解説します。
テナントを定期借家契約で借りる場合のメリットやデメリット、注意点などをお伝えしますね!
テナントの定期借家契約とは? 普通借家契約との違いも確認
定期借家契約とは、テナントの賃貸契約の形のひとつ。
賃貸契約の期間が決まっていて、必ず退去するという契約になっています。
賃貸契約を更新することはできず、引き続き入居したい場合には、合意の上で再契約という形になります。
ただし必ずしも再契約できるとは限りませんし、もし再契約できた場合には敷金や礼金、前家賃といった初期費用が再度必要になります。
一般的な賃貸契約は「普通借家契約」で、契約期間満了時には借主が更新か退去化を選べます。
退去を伝えない限りは基本的に自動更新で、正当な理由がない限り家主の方から退去させることはできません。
また、普通借家契約では事前通知の上で契約の途中解約ができるのに対し、定期借家契約では原則、途中解約はできません。
定期借家契約は、家主が賃貸期間をコントロールできることが大きな特徴。
定期借家契約でテナントを募集するのには、こんな理由が多いようです。
- ◯年後に建物を取り壊す予定なので、それまでの期間だけ貸したい
- マナーの悪い入居者がずっと入居しているという状態を避けたい
- 予想外の退去で空きテナントになるのは困る
- テナントが定期的に入れ替わって常に新しいお店が入っていてほしい
家主にとっては、決まった時期に退去してもらえるうえ、契約途中で退去されて想定外に空き家となることがない、リスクの少ない契約の形です。
テナントを定期借家契約で借りるメリット・デメリットは?
定期借家契約は契約期間をコントロールできるので、貸主にとってはメリットが大きいですが、借りる側にとってはどうでしょうか。
定期借家契約でテナントを借りるメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
定期借家契約で借りるメリット
- 賃料等が相場よりも安い可能性がある
- 更新料がかからない
- 入居審査が緩い可能性がある
定期借家契約は契約更新ができない、途中解約ができないという契約のため、そのままでは借主から敬遠されてしまう可能性があります。
そのため、周辺テナントよりも家賃や敷金、礼金などが安い設定で募集されている可能性があります。
契約期間が合うなら、テナント契約にかかるコストが安くなるのはメリットです!
また、更新がないため更新料はかかりません。
普通借家契約では2年に1度、家賃1ヵ月程度の更新料がかかることが多いです(契約内容による)。
更新しつつ10年間借りていたなら、更新料だけで家賃5か月分の費用がかかります。
10年間の定期借家契約で借りていたなら、その間の更新料は0円です。
賃貸契約時には家主による審査があり、家賃の不払いや、入居後にトラブルを起こさないかをチェックされます。
定期借家契約では退去時期が最初から決まっていて、家主のリスクが少ないため、審査が比較的緩い傾向があります。
定期借家契約で借りるデメリット
- 更新ができない
- 再契約時には初期費用がかかる
- 途中解約は原則できない
定期借家契約でテナントを借りる際の大きなデメリットは、更新と途中解約ができないことです。
テナントを借りてお店を開き、常連客が定着してお店が軌道に乗ってきても、契約期間満了時には退去しなくてはいけません。
再契約の交渉は可能ですが、必ず再契約できるとは限りません。
再契約できたとしても家賃などの条件が同じとも限りませんし、敷金、礼金、前家賃といった初期費用が再度かかってしまいます。
では、契約期間が長ければアリかというと、原則として途中解約ができないというデメリットもあります。
途中で解約したくても、契約期間満了までの家賃をしっかり請求されます。
途中で移転や閉店など状況が変わる可能性もあるため、借主にとってはリスクのある契約の形なのです。
ちなみに、「●ヵ月分の賠償金を支払い、途中解約可能」といった特約がある場合は、特約に従って途中解約できる場合もあります。
テナントを定期借家契約で借りる際の注意点もチェック
定期借家契約でテナントを借りる場合に注意すべき点を3つご紹介します。
①再契約ができるかどうか
定期借家契約では契約の更新はできませんが、再契約ができるかどうかは物件によります。
たとえば取り壊す予定があるために定期借家契約になっているのなら再契約は無理ですが、マナーの悪い入居者とのトラブルを避けるために定期借家契約にしており、とくに問題がなければ多くは再契約しているというケースもあります。
再契約できる余地はあるのか、実際に再契約しているテナントはあるのかといった点を確認しておきましょう。
再契約の協議ができる場合は、契約書に「再契約条項」としてその旨が記載されていることが多いです。
②途中解約ができるかどうか
定期借家契約では原則として途中解約はできませんが、特約により途中解約可能な契約もあります。
契約期間が長い定期借家契約は借主にとってもリスクが大きいので、途中解約の可否やその条件については必ず確認すべき点でしょう。
③契約書への記載・期間終了前の通知の確認
定期借家契約は必ず書面にて契約を結ぶと決まっています。
この書面には契約期間、更新なしで退去する旨、途中解約についての特約などが記載されます。
この書面なしに契約を進めると、定期借家契約ではなく普通借家契約とみなされてしまいます。
また、契約期間満了の1年から6ヵ月前の間には、貸主から契約期間終了の通知が必要です。
この通知がなければ普通借家契約とみなされ、契約期間を満了しても退去しなくてよいと定められています。
まとめ
●テナントの定期借家契約とは?
テナントの定期借契約とは、契約更新ができない賃貸契約です。
契約契間が満了したら必ず退去となります。借主の意思で更新が可能な普通賃貸契約とは違い、貸主が契約期間をコントロールできるので、貸主にとってメリットの大きな契約の形です。
●テナントを定期借家契約で借りるメリット・デメリット
定期借家契約は契約更新ができない、途中解約ができないことがデメリット。
再契約できる物件もありますが、条件が同じとは限りませんし、初期費用も再度かかります。
ただし、このようなデメリットがあるため、家賃や敷金、礼金などが相場よりも安い傾向にあることがメリット。
更新料がかかることもないため、契約期間が条件に合えばコストを抑えることができるでしょう。
●テナントを定期借家契約で借りる際の注意点
定期借家契約を結ぶ際は、再契約の余地や途中解約の特約について必ず確認しましょう。
どちらも契約書に記載がされています。
また、書面にて契約すること、契約期間満了前には貸主より通知があることも覚えておきましょう。
飲食店の開業をご検討されている方で疑問点やお困りのことがあれば、札幌すすきのを中心にテナントビルを展開するLCグループの磯へお気軽にお問い合わせください!