飲食店の原価率って?利益を上げる方法とは更新日:2018.11.09
こんにちは!札幌すすきのを中心にテナントビルを展開するLCグループです!
飲食店の適正な原価率ってどのくらいか知っていますか?
こだわりの食材を使うのも良いですが、仕入れにお金をかけすぎると原価率が高くなり利益を圧迫してしまいます。
今回は飲食店を開業したいなら絶対に覚えておきたい「原価率」についてのお話。
原価率の意味や計算方法、原価率を抑えて利益をアップさせるアイデアなどをご紹介します。
飲食店の原価率とは?意味や仕組みを解説!
原価率とは、売り上げ(価格)に対する商品原価の割合です。
原価とは商品を作るために必要となる材料費などのことで、飲食店の場合は野菜や肉、調味料、飲料などの材料費のことを指します。
例えば「牛丼」を作るなら、材料は米、牛肉、玉ねぎ、ネギ、玉子、紅ショウガ、油、調味料など。
これらの材料を購入するのにかかった費用が原価となります。
原価率の計算方法は下記の通りです。
●原価率(%)=原価 ÷ 売上 × 100
先ほどの牛丼の例で言うと、1食600円の牛丼を作るための材料費が1食分あたり180円だったとします。
●180(原価)÷売上(600)×100=35% 原価率35%
業種や業態にもよりますが、一般的に飲食店では30%程度の原価率が適正とされています。
業態ごとの原価率の目安としては、レストラン・居酒屋が30~35%、カフェ・喫茶店が25~30%、ラーメン店が30%、寿司屋が35~40%などが代表的です。
売上から原価を引き、さらにその他のコスト(人件費、光熱費、家賃、広告宣伝費など)を引いたうえで残ったものが、最終的な利益(儲け)となります。
いくら売り上げが高くても、売り上げの中に占める原価率が高くては利益につながりにくいのです。
メニューの決め方にもコツが!原価率で考える方法
飲食店で料理や飲み物を提供するためには材料を仕入れる必要があるので、原価は必ずかかります。
飲食店では原価を30%程度まで抑えられると健全経営ができると言われています。
では、原価からメニューの値段を設定する場合にはどうしたらよいでしょうか。
原価と原価率から価格を設定する場合の計算式は下記のようになります。
●原価 ÷ 原価率=価格
先ほどの原価150円の牛丼を原価率30%として価格設定を考えてみると…
●150(原価) ÷ 30%(原価率)=500円
原価150円で原価率が30%になるような価格設定だと、500円という事になります。
ただし、原価率30%を目指すと言っても、すべてのメニューがそれぞれ30%を目指すという事ではありません。
原価率はメニューごとにばらつきがあるのは当然のことです。
例えば、こだわりの食材を使った看板メニューでは原価が高くなってしまうのも当然です。
むしろ、原価率を高めに設定し、高級食材を使うことがメニューのウリになる場合もあります。
その代わりソフトドリンクなどは原価率が低め。
原価率の低いメニューがたくさん売れればその分利益も上がります。
原価率の高いこだわりのメニューを売りに来店が増え、その分他メニューやドリンクの注文が増えれば売上UPにもつながることも。
このようにメニューの中には原価率の高いメニュー、低いメニューがあります。
全てのメニューを原価率30%とするのではなく、バランスの良い価格設定を行い、客単価や全体の売り上げに対しての原価率30%を目指すようにしましょう。
原価率を抑えて利益の上がる飲食店にするには?
原価率を抑えることができれば、その分利益が上がります!
原価を下げると言っても、安物を仕入れればいいという事ではありません。
食材の質や味が落ちてしまっては意味がありません。
クオリティは下げずに、メニューの原価率を抑える工夫をご紹介します。
食材のロスを減らす
仕入れミスや在庫の管理ミスなどでムダにしてしまっている食材があるはずです。
食材ロスは人為的なミスが原因で起こることがほとんど。
ミスに注意をして食材ロスを減らすことで、原価率をぐっと抑えることができます。
食材ロスの原因となる人為的ミスは下記の3点が多いです。
それぞれこんな点に注意してミスを防ぎましょう。
①仕入れすぎて使い切れない
品切れを恐れるあまり、多めに仕入れるのは食材ロスの原因に。
まずはメニューごとの食材の適切な使用量や在庫切れを起こさないための標準的な在庫量を確認し、適切な仕入れ量を把握しましょう。
②保存管理のミスで腐らせてしまう
先に購入したものを先に使う「先入れ先出し」の管理ルールを周知徹底しましょう。
貯蔵庫の温度管理や整理整頓で食材を腐らせたり使い忘れたりすることを防ぐことができます。
③オーダーミスや調理ミスでムダにしてしまう
伝票の表記をわかりやすくしたり、オーダー個数を復唱したりするなど、オーダーの効率的なルールを作り統一化しましょう。
厨房の作業動線や調理工程のチェックも行い、ミスが起こりにくい体制を整えましょう。
余りやすい食材を別メニューで活用する
食材を仕入れたものの思ったほどのオーダーがなく、あまってしまう食材はありませんか?
例えばお刺身用の生魚で竜田揚げを作る、残った野菜でミネストローネを作るなど、他のメニューに活用できないでしょうか。
食材を余すことなく使うことで原価率を抑えられます。
旬の食材を取り入れる
同じ野菜や魚でも季節によって仕入れ価格は異なります。
旬のタイミングが一番安く仕入れることができますよ。
旬の食材は味や栄養価も高いのでメニューのクオリティも自然とアップ!
「季節野菜のサラダ」「月替わり鮮魚のお刺身」など、季節ごとの旬食材を取り入れたメニューを作るのも良いでしょう。
原価率の低いメニューをたくさん売る
ソフトドリンクやハイボールなど炭酸系のサワーは原価率の低いメニューの一つ。
原価率の低いメニューをたくさん注文してもらえれば、客単価単位での原価率が下がります!
売りたいメニューについては店内にポスターを張ったり、席にポップを置いたりして目立つようにしましょう。
オーダーの際、スタッフが「ハイボールがおすすめです。いかがでしょうか?」などと声をかけるのも効果的です。
まとめ
・原価率とは、売上に対してその売り上げを上げるためにかかったコストの割合です。飲食店では料理を作るための食材費や飲料費などの割合のことを指します。原価率(%)は[原価 ÷ 売上]で求められます。業種や業態にもよりますが、飲食店での原価は30%程度を目安にすると良いとされています。
・原価率30%を目安に原価から価格を設定する場合は、[原価÷30%(原価率)=価格]で求めることができます。ただし、一つひとつのメニューが必ずそれぞれ原価率30%とする必要はありません。メニューや材料によって原価率の高いものや低いものがあるのは当然です。店舗の売上全体で30%となるようにバランスよく設定すると良いでしょう。
・売上が変わらなくても原価率を下げることができれば利益をアップさせることができます。人為ミスによる食材ロスの改善や余ってしまう食材の活用、原価率の低いドリンクのオーダーを増やすなど、原価率を下げる工夫をして利益をアップさせましょう。
飲食店の開業をご検討されている方で疑問点やお困りのことがあれば、札幌すすきのを中心にテナントビルを展開するLCグループの磯へお気軽にお問合せください!