飲食店の移転で必要な手続きについて。閉店手続きも必要って本当?更新日:2018.04.27
こんにちは札幌を中心にテナントビルを展開するLCグループです!
「お客さんがたくさん来てくれるのでもっと大きな物件に移りたい!」
「思いのほか苦戦しているので業態をガラッと変えて再スタートしたい!」
こんな理由で店舗の移転を検討される方はたくさんいると思います。
では、飲食店の移転にはどのような手続きが必要なのでしょうか?
実は移転は手続き上、一度「閉店」するという取り扱いになるんです。
今回は飲食店の移転の際に必要な手続きや注意点についてお話します。
飲食店の「移転」には「閉店」の手続きが必要
飲食店の移転とは現在の場所でのお店を一度閉店し、別の場所で新しく飲食店を「開店」することです。
この際オーナーや業態、店名などが変わるのであれば「閉店」という言い方もしっくりきますが、仮に業態やオーナー、店名が変わらずに店舗の場所だけが変わるという場合も、手続き上では「現在の店舗の閉店」をしたうえで「新店舗の開店」するという扱いになります。
行政手続き上では廃業届を出して現在のお店を一度「閉店」し、新しい場所で新しいお店として営業許可を取り直す必要があるのです。
飲食店の移転には「閉店」と「開業」の2つの手続きが必要
飲食店の移転のためには現在の店舗の「閉店」と新しい物件での「開業」の2つの手続きが必要となります。
それぞれの手続きについてご紹介しますね。
閉店へ向けての手続き
顧客へ店舗移転の案内をする
お客様へ向けて店舗移転のご案内をします。
お客様はお店の大切な財産です。
告知方法や内容に工夫をして移転後も新店舗へ足を運んでもらえるようにしましょう。
主な告知方法
・店舗への張り紙をする
・お店のホームページやSNSでお知らせをする
・次店舗のチラシ、ショップカードなどをお渡しする、DMで送る
行政関係の届け出
飲食店を開業する際に届け出をした機関(消防署を除く)へ廃業に関する届け出が必要です。
・税務署へ廃業届を提出する
・保健所へ廃業届を提出、食品営業許可証を返還する
・開業時に警察署へ届け出を出していた場合は、その廃止届を提出する
テナントの解約やリース設備の残債清算
賃貸物件を返す際には事前に解約の連絡と、返却時には原則原状回復としてスケルトン状態(内装や設備を全て撤去し、元の何もない状態)へ戻す必要があります。
また、厨房機器などの設備がリース契約の場合は、残債を支払わなくてはいけません。
新たな店舗の開業手続き
業態やサービス内容をガラッと変更する場合は、新しい店舗のコンセプト設計から行う必要があります。
コンセプトが決まったら(もしくは前店舗と同じなど)そのコンセプトに合わせて新たな事業計画と物件探しを行い、開業に向けた準備を行いましょう。
税務署、保健所、警察署などへも改めて届け出をし、新たに営業許可を受ける必要があります。
飲食店の開業準備の流れについては「飲食店を開業するまでの流れを解説!重要なポイントはこの3つ!」の記事でも詳しくご紹介しています。
飲食店を移転する際の注意点
飲食店の移転には今までの顧客を失うリスクもあり、移転先の立地によっては移転前よりも売り上げが下がってしまう可能性もあります。
その移転は本当に必要なものなのかを慎重に検討した上で、移転先の立地や物件をしっかり吟味し、移転や移転先を決定するようにしましょう。
また、飲食店の移転は閉店と開店両方の手続きが必要なため、手間や費用がかかります。
新しい店舗の開店準備では、物件取得費用、内・外装工事費用、設備や人材などのための諸費用、当面の運営資金が必要なのはもちろん、元の店舗の物件解約(または売却)のためにスケルトン戻しや解体をする費用も必要なります。
以下、その費用の内訳です。ご参考ください。
閉店に必要な費用
●店舗のスケルトン戻しの費用・・・1坪あたり5~10万円程度
開店に必要な費用
●物件取得のための費用・・・・保証金として賃料の10ヵ月分程度
●内装工事、設備導入費用・・・居抜き物件かフル工事か、広さなどにもよるが、5~100万円/坪
●初期仕入など諸費用・・・・・売上の30~40%程度とその他経費~200万円程度
●当面の運転資金・・・・・・・月の固定費4~6ヵ月分
さらに移転ではその2つの手続きを同時に行わなくてはいけません。
新しい店舗の開業準備が進んでいるのに前の店舗の解約ができずに家賃が2重でかかる、前の店舗の解約・明け渡しの日が迫っているのに次の物件が決まらない、なんてことのないようにしっかりスケジュールを立てて進めるようにしましょう。
まとめ
・手続き上飲食店の移転とは、現在の店舗を一度閉店して新しい場所で新しい店舗を開店することになります。そのため飲食店の移転にはお店の「閉店」と「開店」の2つの手続きが必要です。
・飲食店の移転では閉店のために、各種機関へ廃業の届け出をする、借りているテナントを解約する、顧客へ移転の案内を出すといった手続きが必要です。また、新しい店舗の開店にあたっては店舗コンセプトを改めて設定する、必要な物件を探す、各種機関へ改めて届出をし営業許可をもらうなどの手続きが必要です。
・飲食店の移転には「閉店」「開店」両方の手続きを同時に行わなくてはいけません。閉店のために店舗を解体する費用と、開店のための物件取得、内装工事、仕入れ、運転資金などの費用が同時に必要となり、大きな費用負担となる可能性があります。移転後の立地や業態によっては今までより売り上げが下がってしまうリスクもあるため、移転を検討している場合にはそのようなリスクに対する対策も忘れずに考えるようにしましょう。
飲食店の移転の手続きに関して何か疑問点やお困りのことがあればお気軽に、札幌を中心にテナントビルを展開するLCグループ磯にお問合せを!